最近話題の人工知能やスマートスピーカー、そのひとつにAmazonが発売しているAmazonエコーシリーズがあります。
Amazon エコーって何?、AIアシスタントのAlexaって?そもそも何ができるの?Amazonエコーシリーズのデバイスにはどんなものがあるの?
新しく発表のあったAmazonエコープラスを含めて、そんな知りたいをまとめてみました。
Amazon Echo / アマゾンエコーとは?
Amazonエコーは、
単純に音楽を聴くためのスピーカーではなく、Amazonエコー上で動いている音声認識AIアシスタントであるAlexa (アレクサ)を通じて色々なことを行うことが可能。
以下は最もシンプルなパターンの、音楽をかけてもらうという紹介動画です。
実際には「Alexa、〇〇して!」のような感じで名前で呼びかけることで動作します。名前はその他にもEcho,Amazon,Computerなどから選択が可能です。
残念ながら日本ではまだ発売されておらず、日本語にも対応していません。そのため、これらの情報はアメリカのものをベースとしています。
【更新】日本での発売が決定しました!
他の音声認識AIアシスタントと比較して優秀なAlexa
似たような音声認識AIアシスタントにはiPhoneの”Siri”やAndroidの”OK Google”、日本でも発売されるGoogle Home、マイクロソフトのCortana (コルタナ)などがありますが、音声認識の精度やAIの賢さは、現状ではAlexaがリードしています。
多額の予算投入
AmazonはAlexaの開発のために大量の予算を投入し続けており、実はAamazonの中でもAlexaの開発を行っている部門は花形部署です。人材投資にも惜しみなく予算は投入されており、2,000万円以上の年収を提示して優秀なエンジニアを集めています。
そのこだわりは強く、例えば呼びかけてから答えが返ってくるまでの時間を当初の目標値2秒では満足できず、1秒を達成できるようにしたほど。目に見えない細かな改善や機能に、実は大量の予算がかけられているのです。
少し話はそれますが、Amazonの莫大な投資の急成長を支えるオフィス事情について興味のある方は、以前書いた以下の記事もよろしければ見てみてください。
高い音声認識力
もちろん音声認識精度も非常に高いです。アメリカは移民の国なので英語を話す人の発音レベルは幅広いのです。そのため色々なアクセントの癖を認識してきちんと英語に認識するのは至難の技。
しかしAlexaはかなりの精度で英語の発音を認識します。実際に利用したことがあるのですが、いわゆる日本人的な英語の発音でもわりと正確に認識してくれます。
Amazon.com上のレビューでは、5万件を超えるレビューの3分の2以上が星5つの評価を得るほどの評判です。
声による個人の識別とそれに応じた対応
Alexaは個人を声から判別することができます。話しかけた人の声で、今話しているのは誰なのかを判断し、その人に応じたサービスを提供してくれます。
たとえば「〇〇をショッピングリストに追加しておいて」とお願いした場合、自分が話しかけたのであれば自分のショッピングリストに、家族の誰かであればその家族の人のショッピングシストに自動で追加してくれます。
最初のセットアップ時に10単語程度を話しかけるだけでセットアップは終わるため、設定も非常に簡単です。
進化し続けるAI
Amazonエコーデバイスはインターネットに常に接続されている必要があります。Alexaは実はスピーカーの中で動いているわけではなく、クラウド上にあるAIとそのデータベースを利用しています。
そのため、自分の音声はクラウド上に送られ、そこで処理された結果がAmazonエコーに帰ってきます。
Alexaはこの色々な入力や結果などへのリアクションから学習を続けていて、日々進化し続けています。
Alexa Skill Kit (ASK)によるアプリ対応
Alexaには開発者向けにAlexa Skill Kit (ASK)というプラットフォームが提供されています。
これを利用することでiPhoneやAndroidなどのスマートフォンのアプリのようなものを開発することが可能となります。Amazonはこれをアプリではなく”スキル”と呼んでいます。
例えば有名どころではピザの注文が可能なスキル、Uberでタクシーを配車ができるスキルなどがあります。
Amazonエコーで何ができるのか
では実際にどのようなことができるようになるのでしょうか。以下で色々な例を挙げてもう少し詳しく見ていきましょう
電話をかける
Amazonエコーは他のAmazonエコーに対して電話をかけることが可能です。例えば自分と両親のそれぞれの家にAmazonエコーデバイスがある場合、Amazonエコーに「○○に電話をかけて」と伝えるだけで繋がります。
相手が出なかった場合は、通常の電話のようにメッセージを残して置いたりすることも可能です。
音楽をかける
Amazonの音楽配信サービスやSpotify、Pandoraなどのサービスと連携することで、曲名を伝えるだけで音楽をかけることが可能です。
家に何個かAmazonエコーデバイスがある場合は、それらをすべて利用して音楽を再生したり、2階の部屋などのある部分だけを指定して再生させたりすることも可能です。
なおAmazonが提供する音楽聴き放題サービスには、Amazon Prime MusicとAmazon Music Unlimitedの2種類あります。
スマート家電を操作する
電気やドアの鍵、エアコンの操作などをがAlexaを通じて声だけでできます。電気つけて、室内の温度を26度に設定して、ドアの鍵閉めて、などなど。
もちろんデバイス側がAlexaに対応しているスマート家電である必要があります。
追加機器を購入すればテレビを操作することも可能。テレビをつけて、音量かえて、Netflix起動して、などもはやリモコンいらずです。
セール商品を購入する
Amazon.comのプライムメンバーには、Alexaを通じて注文した場合にのみ有効となるセール商品が提供されています。このような商品はAmazonエコーを通じてしか購入できません。
いくつかセール品を購入していくことで、Amazonエコーの購入金額すらそのうち補えるかもしれませんね。
トレーニングをする
7-minute-workoutスキルなどを利用すると、Alexaをパーソナルトレーナーとしてトレーニングを行うことが可能。
たとえば7分間のワークアウトをお願いと伝えると、適切なタイミングで次はこの動作をしてといったことを伝えてくれるのです。疲れてついていけなくなった場合は休憩したいと伝えましょう。
旅行の計画をする
旅行予約サイトKAYAKのアカウントを持っていれば、話しかけるだけで良好の計画を練ることが可能です。
飛行機の値段を確認したり、飛行機のフライト状況を確認したりと利用方法は様々「Alexa、Kayakに$300以内で行ける場所を聞いて!」なんていう旅行コンシェルジュのような使い方も可能。
電話を見つける
My Phoneスキルなどを利用すると、事前に自分の電話を登録しておくことで、電話がどこにあるか見つからない場合に、Alexaに電話をならしてとお願いすることができます。
テキストメッセージを送る
事前の設定が必要になりますが、例えばSMS with Mollyなどのスキルを利用してアドレス帳の情報を事前に設定しておくと、〇〇に××って送って頼むだけで、相手にテキストメッセージが送信されます。
言語翻訳をしてもらう
Translaterスキルを利用すると、50以上の言語の翻訳をAlexaが行ってくれます。「Alexa、こんいちはってドイツ語ではなんていう?」と聞くだけで教えてくれます。
ただ教えてくれるだけではなく、スマートフォン上のAlexaアプリにそのテキストまで送ってくれる親切ぶり。
今日の献立のアイデアを得る
毎日料理の献立を考えるのはなかなか大変なこと。Campbell’s Kitchenスキルなどを利用すれば、毎日5つの献立の提案をしてくれます。
実際に選んだ場合、スマートフォン上のAlexaアプリに材料や作り方も送ってくれる優れものです。
ボードゲームのルールを教えてもらう
ボードゲームはルールが複雑でやり方をわすれてしまうこともよくありますよね。説明書もどこかへ行ってしまったり・・・。
Board Game Answerスキルなどを利用すれば、ボードゲームのルールや遊び方まで教えてくれたりします。
ギターのチューニングを行う
Guita Tunerスキルなどを利用すれば、ギターのチューニングを行うことも可能です。Alexaはお手本となる音を示してくれた後、こちらがその音程にあったものを鳴らすまで待ってくれるので、チューナー無しで正しいチューニングを行うことができます。
寝る前のお話を聞かせる
bedtime storyスキルなどを利用すれば、寝る前のお話をAlexaにしてもらうことができます。〇〇ちゃんにお話をきかせてあげてとAlexaに伝えるだけで、色々なお話を子供に聞かせてくれるのです。
その他にもまだまだ便利な機能が満載
上でも説明したとおり、Alexaはスキルをインストールすることで進化していきます。そのためできることは増えていく一方。全てをここで紹介することはできませんが、その他にも以下のような機能があります。
- ニュースを読んでもらう
- 天気を知る
- タクシーを呼ぶ
- 銀行の残高を確認する
- 株価を確認する
- 単位を変換してもらう (10インチって何センチ?など)
- 英単語のスペルを教えてもらう
- Wikipediaで何かを調べてもらう
- タイマーを設定する
- ピザをオーダーする
- Fitbitと連携してヘルスステータスを教えてもらう
- カクテルのレシピを確認する
- ある料理に合うおすすめのワインを教えてもらう
- じゃんけんやクイズ、ビンゴなどのゲームをする
- ギターのチューニングを行う
- 出かける前に車のエンジンをかけてもらう
- 好きなスポーツチームの試合結果を確認する
- TEDのプログラムを聞く
- ジョークを言ってもらう
実際に利用者がどのように利用しているかの調査結果もあります。こちらについては以下で詳しく解説しています。
Amazon エコーシリーズの比較表
一口にAmazonエコーといっても実は色々なタイプのデバイスが存在しています。以下にこれらのデバイスをまとめました。
特徴や価格、発売日はなど
以下は普通のAmazon Echoシリーズとは少し異なるタイプです。
Echo Connect | Echo Look | Echo Buttons | |
特徴 | Alexa搭載デバイスを電話に変える | カメラを備え、服装のチェックなども行ってくれる | エコーデバイスで使えるボタンデバイス |
値段 | 未定 (アメリカでは$34.99) |
未定 (アメリカでは$199.99) |
未定 (アメリカでは$20 (2個)) |
スピーカー | 無し | 1.6ワットスピーカー | 無し |
マイク数 | 無し | 4 | 無し |
画面 | 無し | 無し | 無し |
サイズ | 130mm 90mm 29.5mm |
160mm 61mm 61mm |
不明 |
発売日(アメリカ) | 2017/12/13 | 招待制 | 2017年年末 |
発売日(日本) | 未定 |
日本での発売日や価格
日本での発売は、Amazon Echo Dot、Amazon Echo、Amazon Echo Plusの3機種が決定しています。
なおPrime会員なら11月17日までに購入すれば、Amazon Echo Dotは2,000円オフ、とAmazon Echoは4,000円オフとなります。
現在のところ、購入可能なのは招待メールを受け取った会員のみですが、招待メールのリクエストもAmazonでリクエストできるので、気になる方は早めにリクエストしておきましょう。
Amazon Echo Dot
Echo DotはAmazonエコーシリーズの最安モデルとなります。Amazon Echoのスピーカーを簡素にしたものがこちらです。しかし外部スピーカーの接続端子を備えているため、自分の好きなスピーカーに接続することも可能。
家の中で色々な場所に設置したいという用途に最適です。
以下はレビュー記事です。
Amazon Echo (第二世代)
Amazonエコーシリーズの最もベーシックなモデルで、第二世代が発表されました。第一世代に比べ小型化され、ドルビーサウンドに最適化されたより高性能なスピーカーを搭載しています。
色々なスマートスピーカーが台頭してきていることを意識してか、よりおしゃれなデザインとなっています。
EchoとEcho Dotのより詳しい違いについては、以下の記事をご覧下さい。
Amazon Echo Plus
Echo PlusはAmazonエコーシリーズの最もハイエンドなモデルで、Amazon Echoよりも高性能なスピーカーを搭載しています。
ZigBeeという規格に対応していて、スマート家電との連携がより簡単に行えるようになっています。スマートホームの中心的存在となることを目指したデバイスとなります。
Amazon Echo Plusについては、以下の記事でもより詳しい解説や購入後のレビューを行なっています。
Amazon Echo Show
Echo Showはタッチディスプレイを備えた初のエコーデバイスです。音声だけではなく、ディスプレイ上に画像での情報も表示してくれるため、天気の確認やレシピの確認といった作業が視覚的にやりやすくなります。
Echo Show同士でビデオ通話を行うことも可能です。Drop Inという機能を有効にすると、指定した人であれば、着信を受けることなくいつでもビデオ通話ができるようになるため、赤ちゃんの部屋や高齢の両親の家に置くと、より安心できますね。
Amazon Echo Spot
Echo Showに似たモデルですが、よりスクリーンの小さなモデルとなります。スクリーンは小さくなっていますが、ビデオ通話を行うことも可能です。
複数の部屋で、普段は置き時計のように自然に利用しつつ、Alexaの機能も必要な時に利用できる優れものです。
Amazon Echo Look
他のデバイスと少し毛色が異なるのがこちら。カメラを搭載していて、撮影用高輝度LEDも備えたモデルとなっています。
自分の服装を撮影して、現在の服装の判断をしてくれるなど、ファッションコンサルタント的に使うことが可能です。カメラ撮影時には背景はぼかして撮影されるので、服装のみを正確に判断してくれます。
イメージがつきにくいモデルなので、以下の動画も参考にどうぞ。
Amazon Echo Connect
Echo Connectは単体では使用することはできません。Echo Connectは固定電話戦とAmazonエコーシリーズのデバイスをつないで、本当の電話として利用するためのデバイスです。
Amazonエコーシリーズ同士の通話にはこれまでも対応していましたが、これは通常の電話番号にも対応するためのデバイスとなります。
こちらも若干わかりにくいモデルなので、以下の動画も参考にどうぞ。
Amazon Echo Buttons
こちらも少し異色のデバイスで、単体では使用できないものです。Amazonエコーデバイスに接続して、単純にボタンとして利用します。
たとえばクイズスキルなどを利用して遊んだりする時に利用されます。
あとがき
実に色々なことができるAmazonエコーデバイス。あまり音声認識AIデバイスに興味はなかったのですが、できることを調べていたら欲しくなってしまいました。ますます生活がAmazonに支配されていく・・・。
タクシーの配車やレシピの提案、出前の注文など日本のサービスで連携できそうなものはたくさんあるので、日本での発売もとても楽しみですね。
なお、当サイトではその他にも色々なAmazon Echoの情報をまとめています。以下の記事から関連記事をたどれるので、ぜひ参考にしてください。