Surface Proを購入時に新型Surfaceペンもせっかく購入したので、何かさっとイラストを描けるような環境が欲しいなーと思っていました(大した絵心は残念ながらないので本格的なことはできないけど・・・)。
Windows10にデフォルトでついてくるSketchpadアプリは、筆圧感知、ペンの傾き感知、描画される線も綺麗と良くできたアプリで、単にメモをとったりするだけなら何の不満もありません。
でもイラストとかも描きたいなーとなると話は別。そもそもレイヤー機能もないので、少し凝ったことをしようとすると痒い所に手が届かず、専用のアプリが欲しくなってきます。
そこで、Surfaceデバイスでペンでさっとイラストを描くのにどんなアプリを利用するのが一番いいのか色々と調べて見ました。今回は有料アプリに絞ってご紹介します。どれも体験版、試用期間が提供されているので、気になったものがあれば試してみてください。
なお、無料アプリについては以下の記事をご覧ください。
Photoshop
価格 | 対応OS | 体験版 | |
月額980円~ | Windows / Mac | 7日間 (ダウンロードページ) |
PhotoshopはAdobe社が開発する、主に写真編集や画像加工を行うための画像編集ツールです。特にデザイナー関連や印刷関連の業界では必須のツールとなっていて、画像に関わるプロフェッショナルであれば、おそらく利用していない人はいません。
カスタマイズ性の高いブラシ類や豊富なフィルター効果、レイヤースタイルやブレンドモードの指定、パス機能など、無限の自由度を誇ります。特に色調補正やカラーマッチングに定評があり、印刷まで行うことを想定しているのであればほぼ必須となるソフト。
利点
- 写真のレタッチに便利な機能が満載
- 色調補正やカラーマッチング性など、色に関連する機能が豊富
- ユーザー数が多く参考にできる参考資料が多い
欠点
- 月額課金が必要
- ペンストロークの手ぶれ補正が無い (補助ツールは色々と存在)
- 基本的に処理が重い
Painter
価格 | 対応OS | 体験版 | |
$429 | Windows / Mac | 30日間 (ダウンロードページ) |
PainterはCorelが社が開発する、現実のイラストを描くことを主眼としているペイントツールです。1990年から開発が続いている歴史のあるソフトで、その昔Photoshopがイラストを描くのに使い物にならなかった時期には非常に重宝されていました。
画像編集の巨頭がPhotoshopなら、イラストドローイングの巨頭がPainterといったイメージ。
現実に存在する画材を再現することに力をいれていて、油絵や水彩画、エアブラシなどの画材の滲みや乾きなどまで再現したブラシの表現が強みです。他のペイントソフトのブラシ機能はこのソフト真似ることが原点となっています。
利点
- 高機能なブラシの多彩な表現力
- 色を実際に混ぜ合わせられるパレットや絵画調変換機能などの絵を描くために便利なツール
欠点
- パーソナルユースには高すぎる価格設定
- アマチュアユーザーが少ないことから参考資料が少なめ
CLIP STUDIO
価格 | 対応OS | 体験版 | |
PRO: 5,000円~ EX: 23,000円~ どちらも月額500円での利用も可能 |
Windows / Mac | 30日間 (ダウンロードページ) |
CLIP STUDIOは株式会社セルシス社が開発する、イラスト制作に特化したペイントツールです。主に漫画の制作に便利な機能が色々と搭載されていることで有名です。
漫画制作に特化しているだけあり、着色のための選択範囲の効率的な作成機能や、パース定規機能、はみ出し線の効率的な削除、デッサン用の3D人げ用モデル機能など、漫画制作に助かる機能が満載。
また、なめらかで美しい線を描画することに力を入れていて、手ぶれ補正機能で線のブレを抑えたり、描き始めと書き終わりの入り・抜きの表現に長けています。
PRO版とEX版の2種類が存在していて、EX版のほうが高機能版となります。特に漫画の複数ページの管理やアニメーションの制作はEX版でしかできません。より詳しくは公式サイトのこちらにも記載されています。
利点
- 優れたなめらかで美しいストローク描画
- 多彩な漫画制作補助機能
欠点
- 若干動作が重い
- メモリ消費量が多い
SAI
価格 | 対応OS | 体験版 | |
5,400円 | Windows | 31日間 (ダウンロードページ) |
SAIはSYSTEMAX社が開発する、気軽に気持ちよく絵が描けることを目指としたペイントツールです(SYSTEMAXは実質個人が経営している会社です)。シンプルで直感的に利用できることを売りにしていて、簡単な操作性で人気を博しました。
フィルター機能や指先ツールが無いなどの細かな部分で制約が多く、色々と我慢が必要となってくる部分もありますが、線の描画の美しさには定評があります。
歴史の長いソフトでこのようなソフトが無かった時代には重宝されましたが、同価格帯でCLIP STUDIOが提供されている今では劣勢かもしれません。
利点
- 軽快な動作とシンプルな操作性
- 美しいストローク描画
欠点
- 根本的に欠けている機能が多い
- 企業規模が小さいため開発ペースが遅い
SketchBook
価格 | 対応OS | 体験版 | |
月額600円、年額3,600円 | Windows / Mac | 無料版あり (ダウンロードページ) |
SketchBookはAutodesk社が開発する、スケッチブックのような使い心地を目指したペイントツールです。AutodeskはAutoCADなどの図面制作ツールの開発に定評のある企業で、SketchBookも世界的には多くのプロが愛用している有名なツールです。
タブレット端末でタッチ操作をしやすいように最適化されています。ルーラーやカーブ ガイド、パースガイド、雲形定規などの機能が優秀で、パースが重要になるインダストリアルデザインなどの作業に強みがあります
無料でインストール可能ですが、無料版はレイヤーすら使えないので注意が必要です。
利点
- タブレットやペンでの操作に最適化されたわかりやすいユーザーインターフェース
- パースが重要となるような作業に便利な機能が満載
欠点
- 月額課金が必要
- 日本語の使用例が少ないため参考資料が少なめ
Leonardo
価格 | 対応OS | 体験版 | |
$39 (現在β版、正式版は$79) | Windows | 14日間 (ダウンロードページ) |
LeonardoはXade Software AB社が開発する、タブレットでの使用に最適化されたペイントツールです。Xade Software AB社はSAIの開発元であるSYSTEMAXと同様に、実質個人が経営している会社です。
Surfaceデバイスでの使い心地を売りにしている点が、他のアプリと一線を画していて、ユーザーインターフェースが指やペンで利用しやすいようにできています。また、メモ帳アプリを起動しているかのような起動時間の速さもウリ。
ブラシの描画がキレイなのも印象的。また、キャンバスサイズには制限がないため、いくらでも画面に描き足していくことが可能です。機能自体は非常にシンプルで、絵をペンで描くことに特化しており、フィルタ処理をかけて凝ったことをしたりということはできません。
残念ながら日本語には対応しておらず、日本のユーザーもあまり見かけません。また、まだ開発途中のβ版という位置づけです。
利点
- アプリの起動が一瞬で済み動作も軽快
- タブレットデバイスに最適化されたユーザーインターフェース
- 無限キャンパス
欠点
- まだβ版のため基本的に欠けている機能が多く、企業規模が小さいため開発ペースが遅い
- 描くことに特化しているため機能は限定的
- 日本語非対応
Mischief
価格 | 対応OS | 体験版 | |
$25 | Windows / Mac | 15日間 (ダウンロードページ) |
MischiefはMade With Mischief社が開発する、ペンデバイスでの使用に最適化されたペイントソフトです。Leonardoと同様ペンで絵を描くことに特化したツールで、フィルタ処理を重ねて作業をするようなものではありません。
Leonardoがラスター形式のドローイングアプリであるのに対し、Mischiefはベクター形式のドローイングアプリです。Leonardoと同様に無限キャンパスを備えており、かつベクター形式であることを活かしてほぼ無限に画像の拡大が可能です。
また、ファイルサイズも他のソフトに比べて非常に小さくなります。
残念ながらこちらも日本語には対応しておらず、日本のユーザーもあまり見かけません。
利点
- シンプルで使いやすいインターフェース
- 無限ズームが可能な無限キャンバス
- 小さなファイルサイズ
欠点
- 描くことに特化しているため機能は限定的
- 日本語非対応