日本時間の2017年10月5日に発表されたGoogleの新しいスマートフォン、Google Pixel2がDxOMarkのスコアで、つい最近記録を塗り替えたiPhone 8 Plusを上回るスコアを叩き出し、モバイル部門の最高評価を獲得しました。
どのような点が評価されたのか詳しく見ていきましょう。
この記事の内容
明るい場面での画質向上
明るい場面では色を正しく再現したうえで細部まできちんと描画し、ダイナミックレンジも素晴らしいとの評価。ハイコントラストなシーンで撮影するには最適なカメラと謳っています。
明暗部によらずディテールが保たれており、かつノイズも抑えられているこのこと。ダイナミックレンジの広い難しいシーンでこれまで最高とDxOMarkが評価していたHTC U11よりも優秀と絶賛しています。
たしかに元画像を見ると、手前の木の裏の暗い部分から、空や光の当たっている葉などの明るい部分まできれいに描画されています。
暗所での高いノイズ処理性能
Google Pixel 2の暗所でのノイズ処理性能もPixel 1から確実に進化を遂げている点となっています。
特に暗所でのノイズ処理に関しては、ディテールを損なうことなく上手に行っているようです。しかしディテールを保とうとした結果か輝度ノイズも見られるとのこと。
ただ暗所でのノイズ処理に関しては、現状ではSamusung Galaxy Note 8が一番との評価で、Pixel 2が他に比べて素晴らしく良いというわけでもありません。
暗所撮影でのオールラウンダー的存在
ノイズ処理こそ格段に良いというわけではありませんが、暗所でもダイナミックレンジが広く、オートフォーカスが早く、かつフラッシュを使用しても自然に撮影が可能と評価しています。
少ない光源を頼りにする時、フラッシュの光しか頼りにならないような時の両方で、Pixel 2は上手く撮影が可能なため、特に室内などの暗い状況で撮影することが多い場合にオススメの機種となっています。
正確な露出と高いコントラスト性能
周囲が明るい状況での露出が適正で、かつ室内などの暗所でも他のスマートフォンに比べると素晴らしいとのこと。
下の例では唯一一番左のPixel 2のみが、背景のライトの形状まで正確に捉えています。
1点特徴をあげるとすると、明るいシーンでは数値的に見ると若干明るめに映るようです。ただこれは、実際に撮影者が見たときの印象に近くなるようにそうしていると考えられるため、むしろ良い評価となっています。
ただ、ロウソクの灯りしかないような厳しい状況ではかなり、アンダーに映ってしまうようです。
高いオートフォーカス性能
オートフォーカスの性能は、今までテストを行ってきた端末の中で最高との評価を受けています。
フォーカス速度は速く、精度も正確。かつどのような明るさの状況でも一貫した速さを誇ると絶賛しています。
300ルクスしかないような室内 (若干暗めな事務室程度)でフォーカスをし直すような状況でも、たったの16ミリ秒でフォーカスが完了するとのこと。
ズームやボケの再現は改善の余地あり
Google Pixel 2はGoogle Pixel 1と同様、ソフトウェアの処理によるデジタルズームの処理とボケの再現を実現しています。
しかしカメラの2つあるiPhone Plusシリーズなどとは異なり、ソフトウェアで擬似的に処理を行っているだけのため、これらに対抗するのはさすがに厳しい様子。
かなりディテールの失われるズーム機能
他の一般的なカメラが一個のスマートフォンと比べれば、デジタルズーム機能の性能は1段上との評価ですが、光学ズームを搭載しているiPhone 8 Plusと比べると、ディテールが全然再現できていません。
4倍ズームの元画像を見ると、顔のディテールが崩れているのがよくわかります。4倍以上は使い物にならないとの評価。
またレンズひとつでデジタルズームを行うと歪曲収差を抑えることが難しく、この点でも2つのレンズを備えたようなカメラには劣ってしまいます。
ボケの再現は向上したが未だ違和感は否めない
ボケの再現に関しては、Pixel 1から比べると向上しています。Pixel 1のボケの再現はいかにも画像処理をした感あり違和感が強かったですが、Pixel 2ではかなり改善されているように見えます。
しかし元画像を見るとわかるように、特に背景が複雑な場面ではうまく処理が行えないようで、遠くよりも何故か手前がボケていたりして、iPhone 8 Plusのものと比較するとかなり不自然さが残るものとなっています。
ビデオ撮影機能も優秀
ビデオ撮影機能についても評価が高く、今まで評価してきたどのデバイスよりも高い、ビデオ撮影機能でのスコア96を獲得しています。
露出は極めて暗いところでアンダーになること以外は良好で、オートフォーカスも優秀。ディテールの維持もPixel 1と比較して確実に向上しており、ノイズの処理も優秀との評価。
手ぶれ補正も非常に優秀です。以下の動画も参考にしてみてください。
まとめ
最高スコアをあっという間に塗り替えてしまったGoogle Pixel 2。まとめると以下のようになります。
Google Pixel 2のカメラの利点/メリット
- 明暗に関わらず広いダイナミックレンジ
- 高いオートフォーカス性能
- ディテールの維持能力
- ノイズの少なさ
- 暗所での撮影能力
- ビデオ撮影時にも有効な手ぶれ補正能力
Google Pixel 2のカメラの欠点/デメリット
- 明るさによってフレアやちらつき、グリッドパターンが発生することがある
- ズーム時にのディテールの消失
- 明るさが非常に厳しい場合にかなりアンダーよりとなる
- ポートレートモードでたまにアーティファクトが見られる
よく言われているようにDxOMarkの評価に関しては賛否両論あるため鵜呑みにするのもどうかとは思いますが、実際の写真を見る限り、ダイナミックレンジの広さやノイズの少なさは明確です。
Googleはカメラをふたつ搭載する方向へは行かないんでしょうかね。ズームやボケの再現がやはりまだまだなので、こちらの性能向上にも期待したいところです。
出典: DxOMark